Book Meter

読書の記録。読みっぱなしは勿体無い。

フランス人は10着しか服をもたない

この本、話題に上ってから数年が経過していると思うが、今更ながら興味を持ってしまった。上流階級までとはいかないものの、そこそこお金と時間に余裕のある家庭のマダムが好きそうな本だ。日々の暮らしをいかに美しく、素敵なものにするか。パリに留学した…

舟を編む 三浦しをん

辞書編集に携わる人たちの話。不器用ながら真面目に辞書と向き合うまじめさんに心を打たれます。 人には向き不向きがあるし、完璧なひとなんていない。誰かのことを羨ましいなんて思っても自分はなかなか変えることができない。でもきっと自分にも出来ること…

カンガルー日和 村上春樹

村上春樹の短編集。ウィットに富んだ文章表現が素敵です。 私としては村上春樹の長編はファンタジーすぎてあまり好きではない(ついていけない)(特に1Q84とか海辺のカフカとかノルウェーの森とか)のだけど、5ページほどの短編なら読める。むしろ好き。形…

グレートギャッツビー フィッツジェラルド

若かりし頃の夢を追いかけ、破れた男の物語。 華麗なるギャッツビーである。彼は人生の春に出会った女をただ純粋に追いかけた。手に届くものと信じて、人の気持ちは変わらないと信じて。 とりあえずトムとデイジーはひどすぎる。特にデイジーはあまりにもひ…

哲学のすすめ 岩崎武雄

~~~ 突然の哲学書 ~~~ なぜ哲学書を手に取ることになったのかというと、本当は夏休みの暇を持て余してついに”ロジックさえちゃんとしていれば小学生でも解けるが、非常に頭を使う問題”を解きたいという謎の欲求に駆られたからである。で、論理といえば野矢茂…

イノセント・デイズ 早見和真

「あなたが最後。あなたに必要とされなくなったら私は自ら命を絶ちます。」 執拗なストーカー行為の果て、交際相手の妻と双子の娘の住む家に火を放ち、3人の命を奪った死刑囚の女。残虐な犯行に至った女の生涯を彼女の人生にかかわった人物の視点から描く社…

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎

コンビニ強盗を働いた主人公はいつの間にやら”存在しない”島にいた。その島には未来を予言することができるカカシ、人殺しを認められている美男、嘘しかつかない画家・・・など、個性的(常識はずれ)な人々が暮らしていた。空間設定は完全にファンタジーの…

コンビニ人間 村田沙也香

コンビニで働く女性の話。独り身で定職につかない女性は早く結婚したほうが幸せだという世間の風潮を蹴散らして生きてるところは支持したいけどそれ以外の部分が闇すぎる。しかし誰が何と言おうとなんと思おうと彼女は幸せなのだろう。

ブルータスの心臓 東野圭吾

個人的にはすごく後味が悪かった。ロボットメーカーのエリートが繰り広げる権力争いの話。不都合なことを知る人物を殺せばいいってもんじゃないでしょ。其処らへんからエリートの冷酷性を感じる。またそれと同時に倫理を顧みないあたりに強烈な人間性を感じ…

龍は眠る 宮部みゆき

これは二人の少年が繰り広げる闘争の記録である。私は決して当事者ではない。 人の考えていることが分かる能力を持つと何が起こるのか。我々は日常的に本音を語らず、表面上うまくいくように取り計らう。そうすることで社会は成り立っているといっても過言で…

コンスタンティノープルの陥落 塩野七生

この本で私は塩野七生にはまりました。歴史書ではないのだけれど限りなく史実に基づく物語りには脱帽です。そして何より文体がっかこいい。筆者のリベラルで独立した人物像を思い描けます。内容はあまり覚えてないのだが、何百年と続いたローマ帝国の最後の…

プラチナデータ 東野圭吾

近未来のDNA捜査の可能性を示唆する。我々の人生は一部の権力者に操られているのか?タイトルの意味が読んだ後に分かった。

MOMENT 本田孝好

高校生のころから持ってる本その② 延命治療の必要性を考えさせられる。結局生きていてほしいと思うのは個人のエゴなのか。人と話しながらほかのことを考えている主人公にお前ちゃんと人の話聞いてんのか、ってなる。でもきっと頭いいから話聞きながらほかの…

キッチン 吉本ばなな

これは恋愛ものというよりも家族愛が描かれている。ミステリーばかり読んでいるせいか、描写が非常に文学的に感じる。

少女 湊かなえ

二人の女子高生の戯れ合いが描かれている。死に対して、暴力に対して、あっけらかんとした二人が残酷でかわいらしい。

何者 朝井リョウ

表紙の佐藤健がかっこいい。それは置いといて。 twitterこえ―ってなるのと主人公の腹黒い感じがたまらん。どこか冷めた目で見ていて、何かに情熱をかけるのがあほらしくてしょうがないというところに非常に共感した。情熱をかけている人たちを見るとかっこ悪…

砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない 桜庭一樹

高校生の頃に友人から借りて衝撃を受けた本。ストックホルム症候群の典型的な例が描かれている。中学生特有の現実に足をつけたくてもつけられなくてもがく様子がよく描かれている。文体がラノベ風(?)(一文が短い)で非常に読みやすい。擬音語をまねした…

時計館の殺人 綾辻行人

言わずもがな館シリーズ。外部と断絶された空間に集う男女10人。本格ミステリが味わえます。

仮面病棟 知念実希人

あまり覚えてないがバイオレンスな感じだった。最後のどんでん返し系。

楽園 宮部みゆき

宮部みゆきはフィクションとノンフィクションの隙間を埋めるのが本当にうまい。

水鏡推理 松岡圭祐

あんまり好きじゃない。まるで研究者は不正ばかりやっているように描かれている。フィクションだからしょうがないけど。あと国家総合職(いわゆる官僚)と一般職の描写も一義的。トリックには吟味する面白みがあるけど、舞台が気に入らん。

理由 宮部みゆき

高層マンションの住人の死に迫る。1990年代当初の戸建てからマンションタイプへの居住環境の変化に対する当時の人々、社会の描写が的確。

楽園のカンヴァス 原田マハ

MoMAの学芸員がアンリ・ルソーとピカソが残した絵画の謎に迫る。著者が一流の美術館で学芸員として仕事をしていただけあって、芸術に対する描写はきめ細やか。絵画の表現はまるで美術館で絵と向き合っているようだ。近代美術の先駆者たちの日常も必見。

はじめに

引っ越しの際に机に積み重ねてあった文庫本を処分しようと思ったんだが、どうも内容が思い出せない。これでは時間を消費するだけの読書になっていると思い記録を残すことにする。あと、処分してしまった本は私の記憶から一切なくなるのかと思うと不憫でなら…