Book Meter

読書の記録。読みっぱなしは勿体無い。

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎

コンビニ強盗を働いた主人公はいつの間にやら”存在しない”島にいた。その島には未来を予言することができるカカシ、人殺しを認められている美男、嘘しかつかない画家・・・など、個性的(常識はずれ)な人々が暮らしていた。空間設定は完全にファンタジーの世界だがそれ以外の部分は妙に現実的である。特に登場人物の心理がファンタジーの世界に住んでいるとは思えないほどリアルな気がする。読んでいる途中で村上春樹的な意味の分からないパートにいつか突入するのではないかと不安感を覚えたが、そんなことはなかった。ちゃんとフラグはすべて回収されたと思われる。ただし一点残念なのが終盤に差し掛かったところで結末が完全に予想できてしまうこと。もう少し裏切ってほしかったーーー。